その騎士は優しい嘘をつく
 だが、その飛び跳ね方が力を増していたらしい。気付くと、その息子の頭の先に見事ハイナーの顎があり、ハイナーは息子から頭突きを受けてしまった形になる。

「うおっ」
 と思わず顎を押さえるハイナー。

「おとーしゃん、ごめしゃい、おとーしゃん、いたい?」

 ハイネスも何が起こったのかを理解しているのだろう。心配そうにハイナーの顔を覗き込んでいる。
 子供の頭は固い。そしていくら身体を鍛えぬいているハイナーであってもその顎は鍛え抜かれていない。
 見るからに痛そうに悶えている。だが。

「いや、痛くない。父さんは騎士だからな」

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