それはもう、叶うことのないはずの恋だった。
知らないはずの男子。



でも、どこか見覚えがある。



そう思った瞬間、その男子と目があって、その男子がこっちに近づいてきた。



私も、引き寄せられるように歩いていく。



その男子は、とうとう私の目の前に来た。



「お待たせ。」



もしかして、夢でも見ているのだろうか。



頬を思いっきり摘んだら、ピリピリと痛んだ。



「夢、じゃ、ない?」


「夢じゃねぇよ。」


「ほんと、に?」


「あぁ。てか、勝手に夢にすんな。」
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