それはもう、叶うことのないはずの恋だった。
心臓がバクバクと鳴り続けている。



本当に来るなんて思ってなかった。



もしかしたら、私を騙すつもりで、あの手紙にはなんの意味もないんだって思ってた。



それでも、こいつは来てくれた。



わざわざ、私のところまで来てくれた。



「私、信じてもいいの?」


「いいよ。」


「本当に?」


「本当だよ。」


あぁ、もったいない。3年ぶりのあいつの顔なのに、また涙で歪んで見れなくなっている。


私は存在を確かめるように、そいつに抱きついた。


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