それはもう、叶うことのないはずの恋だった。
こいつはそのまま走り続けて、近くの公園に着くと私を降ろした。



そいつは結構息が上がっている。



「ばか。私をお姫様抱っこなんかしてこの距離を走るから。」



「俺だって、この3年間鍛えたんだ。これぐらいできる。」



にしても、お姫様抱っこして走るのは、このぐらいの域じゃないと思う。



「無理しちゃだめだよ。」


「いーんだよ、俺はお前のためなら無理くらいするんだ。ってとこ、見せたかっただけだから。」

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