それはもう、叶うことのないはずの恋だった。
「いるんだ。」


「いるよ。てか、ここ恥ずいから、場所変えようか。」


顔を上げて周りを見渡すと、多くの人に見られていたことに気づく。



私、なにをしてっっ!



「はやく、どっか、連れてって。」



恥ずかしすぎて動けない。SOSでそいつの袖を引っ張ると、



「りょーかい。」


そいつは私をお姫様抱っこすると、駆け出した。


「え、ちょっ、これはっっ!」


「大丈夫。安全運転でいくから。」



「そういう問題じゃないから!!」
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