最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
「陽芽にプレッシャーを与えるな」

「間違ったことは言ってませんって」

志遠さんはダリルがいるにもかかわらず、ずっと私を守るかのようにそばにいてくれる。

とにかく私は志遠さんにくっつき、口角を上げていた。誰かと目があえばにこりと微笑む。

あとは志遠さんが英語で応じ、その間、ダリルが私に耳打ちして、なんとか場を凌いだ。

「上手だ、陽芽。それでいい」

志遠さんはにっこりと笑って私の応対を褒めてくれる。

上手もなにも、隣で愛想笑いを浮かべているだけなのだけれど――だが、彼に褒められるのは悪い気がしない。

……それにしても志遠さん、モテモテね。

女性たちの目が、志遠さんを見つめるときだけ違うことは容易にわかった。

みなスタイルがよくて美しくて派手な人ばかり――そんな彼女たちが、志遠さんに擦り寄ったり、腕を絡ませたりして猛アピールしている。

「シオン、モテるでしょう?」

ダリルがからかうような声で私にささやく。

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