最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
「やめろ、ダリル。陽芽に余計なことは言わなくていい」
「ヒメにもちゃんと自覚してもらわないと。自分がどれほどの価値のある人物を独占しているのか」
「陽芽は俺の肩書きなど見る必要はない」
視線を合わせることなく志遠さんとダリルは静かに応酬している。
だが、ダリルに解説されなくとも、志遠さんが女性たちから熱い眼差しを向けられていることはわかったし、彼女たちが私のことを嫌悪感丸出しの目で睨んでいることにも気づいてしまった。
……肩書きっていうより、志遠さんの見た目のせいもあるんじゃないかな。無自覚イケメンの彼は気づかないのだろうけれど。
イギリス人男性はみな格好良く、背も高くて素敵だけれど、その中でも志遠さんの美しさは飛びぬけている。
そんなとき、ひとりの女性がよくわからない英語を私の耳もとでささやいて立ち去った。
悪口だろうか、志遠さんが女性を厳しい眼差しで睨む。ダリルがぽつりと、私の耳もとでささやいた。
「『そんなピエロのような服でシオンに取り入れると思っているのか?』だって」
「通訳するな!」
「気になるでしょう?」
いや、たしかに気になるけれど。今のは聞かなかった方がよかったかもしれない。ずんと肩が重くなる。
「ヒメにもちゃんと自覚してもらわないと。自分がどれほどの価値のある人物を独占しているのか」
「陽芽は俺の肩書きなど見る必要はない」
視線を合わせることなく志遠さんとダリルは静かに応酬している。
だが、ダリルに解説されなくとも、志遠さんが女性たちから熱い眼差しを向けられていることはわかったし、彼女たちが私のことを嫌悪感丸出しの目で睨んでいることにも気づいてしまった。
……肩書きっていうより、志遠さんの見た目のせいもあるんじゃないかな。無自覚イケメンの彼は気づかないのだろうけれど。
イギリス人男性はみな格好良く、背も高くて素敵だけれど、その中でも志遠さんの美しさは飛びぬけている。
そんなとき、ひとりの女性がよくわからない英語を私の耳もとでささやいて立ち去った。
悪口だろうか、志遠さんが女性を厳しい眼差しで睨む。ダリルがぽつりと、私の耳もとでささやいた。
「『そんなピエロのような服でシオンに取り入れると思っているのか?』だって」
「通訳するな!」
「気になるでしょう?」
いや、たしかに気になるけれど。今のは聞かなかった方がよかったかもしれない。ずんと肩が重くなる。