最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
「以前、男の子だったら『志』、女の子だったら『陽』を名前に入れようと話したよな」

まだ性別もわからなかった頃、子どもの名前はなんにしよう?とふたりで考えたことがあったのだ。

「男の子だったので、『志』をつけますか?」

私が尋ねると、志遠さんは窓の外を見つめた。梅雨の真っただ中、今日もしとしとと雨が降っている。

「昨日は晴れていたんだよな」

「はい。太陽がお祝いしに来てくれたみたい」

「太陽の祝福か……それなら、俺より陽芽にちなんだ名前の方がふさわしいだろう」

ニッと微笑んで窓の外、雲のはるか向こうにいるお日様にお伺いを立てる。

「晴れると書いて『ハル』はどうだ。陽芽が紡いだ『陽』の『芽』が、大きく花開いて青い空をもたらしたんだ」

「御子神(はる)――」

私は志遠さんの肩にきゅっと寄り添う。

「素敵な名前をつけてくれて、ありがとうございます」

「お礼を言いたいのは俺の方だ」

彼は甘くとろけた目をして、ご褒美のように私にちゅっと口づけをくれる。

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