最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
「……眠ったか?」

「そーっと、寝かせてみて」

志遠さんが晴をゆっくりとベビーベッドに寝かせる。

背中がベッドについたとき、敏感に察知した晴がふにゃあ~とぐずり出したので、志遠さんは慌てて抱き直した。

「デリケートだな、晴は」

「志遠さんの子どもの頃に似て、よく泣くみたいですよ?」

頼子さんが言っていたことをそのまま伝えてみたら、志遠さんは「俺は泣かない」とふてくされた。私は思わずくすくすと笑ってしまった。



十二月三十一日、二十三時。年が変わろうとしている。

晴が深く眠ったことを確認して、私たちは二階にあるリビングのソファに並んで座った。

「晴、よく眠ってるかな……」

「もう心配なのか? さっき確認したばかりだ。起きればすぐに気づくよ」

遠く離れていても気づけるよう、一階のベビーベッドの近くに音声モニターを取り付けたのだけれど――。

「それでもなんとなく気になって。これまで晴が眠っている間は、できるだけ近くにいるようにしてたから」

志遠さんはなにも言わず、ただ私の頭を優しくなでてくれた。よくがんばったなという労わりが行動から伝わってくる。

「晴のところに行くか?」

「もう少ししたら。……今は志遠さんと一緒にいていいですか?」

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