迷彩服の恋人
そして、皆さんがお仕事をされている職種についても土岐さんは教えてくれた。

土岐さんの初回入隊時の職種は[輸送科]で、今は[武器科]の所属だそうだ。
志貴さんは[輸送科]を希望し…通らず、ご実家が土木関係のお仕事だったことから[施設科]を第2希望として出して配属が決まったらしい。
麻生さんや中崎さん…そして古川さんは[普通科]に配属されているらしい。

[輸送科]は、トラックで人員や備品を輸送したり…駐屯地間の定期便の運行をしたりする部隊らしい。
[武器科]は、火器や車両の整備点検…それから弾薬の補給などを行う部隊で、不発弾処理や自衛隊内の車検も担当するという。

[施設科]は演習場の整備や、災害被災地に自衛隊車両が入る際の整備などを行う部隊で…〝陸上自衛隊の土木屋さん〟なのだとか。また地雷処理も担当するという。
[普通科]は走ったり、ほふく前進をしたり…〝私達が『自衛隊』と聞いて1番に想像するようなことをしている部隊〟だそうだ。

「花村さん達に聞かれると、厄介なので…秘密にして下さい。」

彼は、自分の唇の前に人差し指を立てた。

「えっ、あっ…はい!ふふふっ。何か"秘密を共有する"ってワクワクしますね!土岐さんが車好きなのも知れましたし。先日、病院に送って頂いた時の運転、とても紳士的でしたし。」

「そこは気をつけますって。望月さんの足に負担かけたくないですし。……〝望月さんの推しの方々〟の話とか、もっと聞きたいです。あなたが楽しそうに笑って話してくれるので癒されてます。」

「えぇっ!?そうですか?…初めて言われました。私が趣味の話をすると長くなるので、大体煙たがられるんです。……うーん、オススメかぁ……。あっ!車といえば"あの作品"。…でも、あるかな。ちょっと待って下さい。」

私はそう言って、ストリーミングサイトで検索を始める…。

「そうなんですか?僕は楽しいですよ。」
< 14 / 32 >

この作品をシェア

pagetop