アゲハ蝶は、クローバーを一人占めしたい
「そんなこと、わかってるよ……
でも、揚羽くんじゃなきゃ…ダメなんだもん……」

「じゃあ、どうすんの?
最終的に、心中でもする?」

「そんな……!!!
私は!私達は、ロ◯オ&ジ◯リ◯ットみたいに悲しい最期は迎えない!
私が、そんなことしない!」

四葉は鳳雅を見上げ、はっきりとした口調で言い放った。


「ロミジュリ?」
「え?あ、気にしないで!」

「確かに、そうだな。
二人は、名前や親のせいで一緒にいられない」

「鳳雅くんを傷つけてるのは、痛い程わかってるよ。でも、私は揚羽くんじゃなきゃダメなの!」


それから二人は、ジュエリーショップにいた。
「これ、直せますか?」
「はい!この程度なら、すぐに直せます。
店内をご覧になりながらお待ちください」

壊れたネックレスを直してもらおうとしていた。
店内の商品を見ながら待つ。

「俺も欲しいな、四葉とのペア」
商品を見ていた四葉の肩から顔を出し言った、鳳雅。

「え…!?」
「………」
目を見開き、鳳雅に向き直る四葉。

「それは……」

「………なんてな!
せめて、プレゼントさせてよ!
だったらいいだろ?」
「でも、揚羽くんが嫌だろうし……」

「揚羽には、俺が説得する」

「でも……」
そこで、ネックレスが直し終わったらしく店員に声をかけられた。

「九重様。直りました」
「あ、はい。ありがとうございま━━━━━あ!」
しかしそのネックレスは、鳳雅に取られてしまう。

「これ、もう…直らないように壊してしまおうか?」

「鳳雅くん、どうしてそんな意地悪言うの……?」

「………………俺のお願い、聞いてよ」

「………わかった。じゃあ、せめてあまり目立たないような物を……」
「うん。アンクレットは?
足首だから、あんま目立たないし」
「うん。
━━━━━━ん?あ!揚羽くんから電話だ!
ちょっと出てくるね!」

「じゃあ、俺が選んでいい?」

「うん、もちろん!」
四葉が店を出ていき、鳳雅が商品に目を向けた。


そして四葉。
「もしもし?」
『……っ…四葉!!?
今どこ!?どこにいる!?
講義は休講で、四葉が大学にいないし……』
「ごめんね。今、鳳雅くんと◯◯ジュエリーにいるの。ネックレス直してもらおうと思って」

『鳳雅と?』
「うん。講義が休講になったから、その間に」

『どうして……?』
「え……」
『どうして、僕を待っててくれなかったの?』

「あ、ご、ごめんなさい……!」

『………って、鳳雅に無理矢理連れ出されたんだろ?』
「え?うん…ごめんね、揚羽くん」

『もういいよ。
今からそこ行くから、待ってて』
「わかった!」
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