魔法の手に包まれて
「先生、今日もろくろを回していきませんか?」
 手を放した彰良の口からその言葉が飛んできた。

「え? ですが、今日。その完成品をいただきにきたわけで」

「ええ、ですから。また先生と会う口実です。焼き上がったら、連絡をします」

「でしたら。焼き上がらなくても、連絡をいただいてもよろしいですか?」

「え、と。それは、個人的にでしょうか?」

「はい、個人的にです」
 千夏は、笑顔で答えた。
< 39 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop