魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
こいつに見つめられると……どうしてか、心臓がおかしくなる。



『はい!』

「俺たちのことは気にするな」



心を落ち着かせようと、小さく息を吐いた。

……俺も、聞いてもいいんだろうか。



「お前は何学年だ?」

「い、1年です」

「新入生か……もう学園には慣れたか?」



聞きたいことが山ほどあるため、ひとつずつ聞いていく。



「少し……」



ん……?

鈴蘭の笑顔が、昨日見た表情と重なった。



『ブランであなたみたいな人、初めて見ました! ブランだけじゃないです!』

『ありがとうございます』



どうして、そんな顔をする?

何かあったのか?

そう聞きたかったが、言葉を飲み込んだ。

ここで深入りをすれば、怖がらせるかもしれない。

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