魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
きょろきょろと周りを見渡すと、みんなが期待に満ちた眼差しをしている。

ノワール学級の級長さんは、そんなに人気のお方なのかな?

まるで、有名人のような扱いだ。

息を飲んで見つめる舞台上に、ひとりの男の人が歩いてきた。

この人が、級長さん……?



「みなさん、入学おめでとうございます。級長の黒闇神が欠席のため、副級長の司空竜牙が代理を努めさせていただきます」



どうやら別の人らしく、ホール内が落胆の空気に包まれたのがわかった。



「残念……」

「黒闇神様は表には滅多に姿を現さないって有名だから、お目にかかれるとは思ってなかったけど……ちょっと期待しちゃった」



滅多に姿を現さない人……?

級長なのに……?


一体どんな人なのか、純粋に気になった。



「でも、司空様もかっこいいよね……!」

「わかる……! 紳士で素敵……!」



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