魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
女の子たちは、代わりにスピーチをしている人を見てうっとりしている。



「皆さんが一日も早くこの学校に慣れるよう、在校生一同、応援しています」



さっきのブランの級長さんとは違い、司空さんと呼ばれた人は爽やかな笑顔で挨拶を締めくくった。

とても優しそうな人……。

先輩にああいう人がいるとわかっただけで、少し緊張が解けた。



「だけど、やっぱり黒闇神様が一番よね」

「ちょっと……! あたしたちはブランなんだから、白神様を支持しなきゃ……!」



ノワールの級長を讃える女の子を、周りにいた子が注意していた。

ブランなんだからって……ブランとノワールは、敵対しているのかな?


わからないけど、そんな言い方に聞こえた。

兎にも角にも、私はこの学園について知らなさすぎる。

早く理解して、慣れないと……。

誰かに聞くことはできないから、自分で調べよう。

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