魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
さっき以上に気の抜けた笑顔を前に、もう何も言えなくなった。

俺は鈴蘭だけには強く出れないのだと気づく。なるほど、これが惚れた弱みか……。

鈴蘭になら、何をされてもどんなことでも許してしまいそうだ。いや、許してしまうと断言できる。



「そういえば、礼は決まったか?」



笑顔に見惚れていた自分に気づき、はぐらかすように話を変えた。

早く鈴蘭に礼をしたいが、鈴蘭は一向に言ってこない。

別に急かすつもりはないが……毎日問いかけるのが恒例になっていた。



「ごめんなさい、まだ……」



申し訳なさそうに視線を下げた鈴蘭。



「そうか……いつでもいい」



またこんな顔をさせてしまった。

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