メルティ・ナイト
もちろん、そんな人たちばかりだとは言えない。
もっと知っていかなくちゃと思うし、知りたいと思う。
わたしは、マオちゃんに会うためにここへ来た。
その目的が、いま目の前で壊れてしまって。
正直、空回って孤独感で悲しくて、ぽっかり心に穴が開いたみたいだ。
でも、だからといって。
もし本当にマオちゃんがこの学校にいないとしても、……これからわたしはこの学校、ロン高に通うつもりだ。
一度決めたことは曲げない。
助けてもらった人には恩を仇で返さない。
そういう人間性は、幼い頃からマオちゃんは持っていたと思うもの。
だから、ロン高がどんな学校なのか、噂なんかじゃなくてこの目で確かめたいと感じたんだ。
「女の子は本当にひとりもいない。
さっきの男子生徒たちの騒ぎよう見たらわかるように、おかげですずかちゃんはこれから嫌でも注目を浴びることになると思うよ」
真剣な眼差しを向けてくる赤髪の彼。
でもそれとは対照的に、ニヒルな口元は少し歪んでいる。