メルティ・ナイト



「……よろしくね、穂積くん」



その言葉に小さく反応した彼は、わたしの心の内を見透かしたのか、ほんのちょっとだけ口角をあげてうなずいてくれた。


そうしてひと段落した自己紹介。

世話を焼いてくれた赤坂さんは、わたしたちを見回して安心したように言う。



「よしよし、これで牧ちゃんに怒られなくて済むわ」



ふーっと安堵の息を漏らした彼は、どうやらわたしとみんなを仲良くさせるという使命感があったらしい。

とてもありがたい話だけれど、ふとさっきの疑問が浮かんだ。



「あの……、赤坂さんって、生徒会長だったりしますか?」





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