メルティ・ナイト





マオちゃんのことや発覚した勘違い、でもロン高に通うのは決めたことなど、ほかのふたりに説明した同様のことを、金髪の彼にも伝える。

いっしょに聞いていた楓くんが「大変だったねえ」と言ってくれて、どこか報われた気持ちになったのは言うまでもない。


おなじく納得してくれた様子の金髪の彼に目を向けて、『なんて呼んだらいいですか』と聞きそうになって、はたと考える。


“相坂は、なんで”


わたしのことを、みんなのように下の名前でなく苗字で呼んだのは、彼なりの距離の詰め方なのかもしれない。


その、フレンドリーな楓くんとは違う彼らしい言動を考慮して、数秒考えてから口を開いた。








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