メルティ・ナイト


それに続き、楓くんは声を出して笑うし、穂積くんも心なしか口元が緩んでいる。


なんだか急に恥ずかしくなってきて縮こまっていると、赤坂さんは落ち着きを取り戻しつつ、声を絞り出して言った。



「申し訳ないけど、俺そんな生徒会長とか柄じゃないよ」

「ほんとほんと、美六クンがそんなのやってたらこの学校いまよりもっと崩壊するって」


ヒーヒー笑っている楓くんに対し、赤坂さんは黙って黒い笑みを浮かべる。

それに気づいた楓くんは、笑いを瞬時に引っ込めて素知らぬふりをした。



見れば見るほど、というか、聞けば聞くほどコントみたいだなあ……。

早くも慣れ始めてきたふたりのやりとりに、そう思って頰が緩んだ。




「でも……、すごく校長先生と仲が良いと思って」



生徒会長じゃないとすればなんなのだろう。

膨れあがった好奇心はおさまることを知らない。



わたしの純粋な疑問に、赤坂さんは「ああ……」とどこか気まずそう。

その反応でわたしが不思議に思ったのがわかったのか、すぐに取り繕って答えてくれる。



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