メルティ・ナイト


「まあ、牧ちゃんは生徒とだれとでも仲良いよ。俺はちょっとコキ使われがちだけどね」



信頼されてるってことかな、と付け加える赤坂さんに、なるほどとうなずいた。


あの校長先生のことだ。

きっとほかの生徒ともあんな感じなのかもしれない。


わたしにもフレンドリーに接してくれたし、その明るさに救われているのは在校生ならみんなそうだと思う。



ひとつ疑問は消えた。

だけど、肝心なことがまだ残っている。


早いうちに聞かないと、後悔するかもしれない。

善は急げっていうもんね。


少し聞きにくい雰囲気があるけれど、思い切って口にした。



「さっき楓くんが、赤坂さんのこと“トップ”って言っていたと思うんですけど……、それはなんなのでしょうか」





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