メルティ・ナイト
「すずか、俺らが怖い?」
ど直球に投げられた言葉。
まっすぐに見つめてくる瞳。
どれもわたしを試しているような、どこか不安げな要素がある。
怖いか、と聞かれて否定はできない自分がいる。
なぜならわたしは、いままで不良と呼ばれる人たちと関わったことが一切なかったから。
手放しですごいと言えるほどの度胸もなければ、自ら夜の世界に飛び込みたいと思う好奇心もない。
でも、どれだけ人を物理的に傷つけていたとしても。
ここにひとりで転がり込んできたわたしを助けてくれた彼らが、一概に怖いとは思わなかった。
それが、世間的には正しいとかそういうのじゃなくて、わたしがみんなと触れ合って感じたことだ。
意思を固めて、小さく首を横に振る。
そのあと、茉央くんの瞳を見据えて口を開いた。
「……もっと、教えてほしいな。みんなのこと」