身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


 目的地は、家から十分もかからない緑地公園。

 遊具は滑り台にブランコくらいしかなく充実していないけれど、野原が広く走り回るには危なくなくていい。

 レジャーシートを広げて過ごすにも最適だ。


「ついたー!」


 公園には、人の姿はなく貸し切り状態。

 高齢化が進むこの村では、月や詩と同年代の子どもは今のところいない。

 歳が近くても小学校低学年の子だから、幼稚園や保育園に入園していないふたりにはまだ友達がいない。

 だから、友達のように仲の良いふたりを見ていると、双子で生まれてきてくれて良かったなと思うことが多々ある。

 早速リュックを下ろしシートを広げる。

 詩は花柄ピンク柄の自分のリュックから、ピンク色のボールを取り出していた。


「つき、ボールなげしよう」

「いいよー!」


 早速ふたりは野原を走っていく。


「月ー、詩ー、ママのいるこの近くで遊んでね。勝手に遠くに行ったらダメだよ」


 ふたりからの「はーい!」という返事を耳に、シートに腰を下ろした。

 そのときだった。


「菜々恵」

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