身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「どうしたらいいか、悩んで……でも、堕ろすって選択肢は初めからなかったんです。だから、水瀬先生に迷惑かけないように、ひとりで産み育てようって」
「菜々恵……」
「でも……水瀬先生の立場から考えたら、気味悪いですよね。自分の知らないところで、自分の血が繋がった子を産まれていたなんて」
この世に生を受けた子どもたちにはなんの罪もない。
悪いのは、全部私だ。
「今後も、水瀬先生には一切の迷惑をかけるつもりはありません。先生に責任を取ってほしいとも言いません。なので、このまま知らなかったことにしていただけないでしょうか?」
非常識なことを言っているのは重々承知の上。
だけど、もうお願いするしか道はない。
レジャーシートの上で正座をしていた姿勢から、手をついて深々と頭を下げる。
「もちろん、認知も求めません。先生の今のご家庭を壊すような真似は絶対にしませんから。だから──」
「菜々恵」
すぐそばで名前を口にされた次の瞬間には、力強い腕に正面から抱きしめられていた。
何がなんだがわからず、目を見開いたまま固まる。