身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
水瀬先生が部屋に送り届けてくれたあの日。
体を重ねたあと、窓から見える月をふたりで眺めた。
水瀬先生の子どもの頃の話を聞かせてもらったとき、月が好きなことと、お母様が歌を歌ってくれたことを話してくれた先生が優しい表情を見せてくれたことが印象深くて、お腹の子たちが双子だとわかったときから〝月と詩〟と名前は自然と決まっていた。
あの日話したことを、先生も覚えてくれていたんですか……?
「ごめん、なさい……私、私……」
名前のことはもちろん、きっと子どもたちの年頃を見て、あのとき妊娠した子たちだろうとわかったに違いない。
突然の退職。逃げるように田舎に帰ったこと。妊娠出産を控えての手段だと思えば話は全て繋がっていく。
もうこれ以上、嘘はつき通せないと観念していた。
ぽろっと溢れ出した涙が頬を伝う。