身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
水瀬先生を相手に、私なんかがそんな気を回すなんておこがましすぎる。
そんな自分に腹が立ったし、最低だと嫌気が差した。
だけど、会えばあの日の帰りのように、離れることを躊躇する自分が勝ってしまう気がする。それが怖い。
まだ、好きになりかけていただけ。
どっぷり後戻りできないくらい好きになったわけではない。
あの日から、そう自分に暗示をかける日々を送っている。
水瀬先生のことは、いい思い出だけ記憶に残して忘れる。
連絡も私からはしない。
今回のように連絡をもらっても、必要以上に話を広げない。
そうすれば、水瀬先生も私のことは忘れていく。
自然に消滅していけば、そこまで傷つかないで済むはず。
「ねぇ、誰か生理ナプキン持ってない? いきなり来ちゃってたんだよね」
そばからそんな声が聞こえ、無意識に「持ってます」と言っていた。
「うそ、ある? さすが佐田! ひとつ恵んでもらえると助かるー」
「いいですよ。予備で持ち歩いてるのがあるので。今取ってきますね」