身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「う、そ……」
ふたつの小窓に検査結果の線が薄っすらと現れてきて、箱に記載されている説明と見比べる。
終了の線だけ一本出てくれば陰性。だけど、二本現れれば陽性。
次第にくっきりと二本の線が検査薬に出て、トイレの個室の中でしばらくじっと検査結果一点を見つめていた。
検査薬の箱には、九十九パーセント以上の正確性と宣伝文句が躍る。
この結果はほぼ私の妊娠を確定のものにしているということ。
どう、しよう……。
今、自分のお腹の中に命が宿っているなんて全く信じられない。
それも、その相手は間違いなく水瀬先生だ。
何かの冗談ではないかと疑いたくもなるけど、結果の出た検査薬が私に現実を突き付ける。
動悸が半端ない。
ここから私はどうしたら……。真っ白になってしまった頭でトイレの中にこもっていると、部屋からスマートフォンの着信が鳴り響いているのに気がついた。
何も考えられないまま、音に引き寄せられるようにトイレを出て部屋に戻る。
帰宅後バッグに入れたままにしていたスマートフォンを取り出すと、そこに表示されていたのは故郷の親友の名前だった。