身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
まさか自分がこんな気持ちでこの箱を購入してくるとは想像もしていなかった。
まともに彼氏もできたことがないのに、妊娠検査薬を使う日がくるなんて……。
ドラッグストアの店内で売り場を探し、実際商品を目の前にすると手に取ることも躊躇われた。
勇気を出して購入はしてきたけど、今からこれを使うなんて私にできるのか。
ビーズクッションに座り込んだまま、両手で持っている検査薬のパッケージをじっと見つめる。
「……よし」
でも、怖いなんて言ってられない。
使って結果を出さないと、今のこの落ち着かない気持ちからは解放されないのだ。
「大丈夫、大丈夫」
自分を落ち着かせるように呟きながら、箱を握りしめトイレに入る。
杞憂で終わってくれることを信じて便座に腰を下ろし、アルミパックに入っている検査薬を取り出した。
説明書通り検査薬を使用し、二つの小窓を見つめながら結果を見守る。
狭いトイレの個室の中で、自分の鼓動が鳴り響いているような気がしていた。