大好きな君の観察記録
プロローグ

静かな焦りは突然に

百瀬はると山口風は幼馴染みであり,中学を卒業した頃からの恋人である。

それは皆が知っていること。

春休みに入りはや数日,2人は共通の女友達ゆなと久々に会っていたのだが……



「2人はさ,幼馴染みから恋人になったわけじゃん?」

「「そうだね」」



2人はストローでジュースを飲みながら揃って答える。



「私はその過程をある意味ずっと見守ってきたわけなんだけど…」



ゆなの瞳はどこか輝いていた。

そこで落とされる,爆弾。



「ぶっちゃけ,お互いの何処が好きなの??」



はると風は,同時にチューっとストローを吸う。

その内心では,とても焦っていた。

((どこ……だろ?))

告白をした風すら答えることが出来ないが,自分も分からないはるは咎めることが出来ない。

その微妙な空気を感じ取ったゆなは



「…え!?」



と,頬に冷や汗をかいたのであった。
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