大好きな君の観察記録

Day3

~はるside~


「んー?」



風の部屋で少女漫画を読む私。

風は「どした?」なんてわざわざ聞いてくれる。

えへへ。嬉しい。

私をこんなに気にかけてくれるの,多分風だけだよ。

そうだ! 風に頼めばいいじゃん!

調子に乗った私は,そのまま風に近づく。



「あのね! 壁ドン,やってみてくれない??!」



そして,少女漫画の王道ページを開いて見せた。

ぐいっと顔を近づける私に,真っ赤な顔で仰け反る風。

おっと。近づきすぎた。

……恥ずかしい。反省だ。



「は?」



風は訳が分からないという様子で呆けている。

あまりの距離に自分もちょっと恥ずかしくなっている私は,小さな声で説明した。


「フィクションが漫画で? きゅんはフィクションで?」
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