こいろり!



玄関から入って小さなローテーブルが置かれたスペースに3人腰を下ろす。俺と璃香子と、華花だ。

女性の部屋ということで、周はいつも車で待っているらしい。

テーブルの上には周が作ったのだろうか、豪華なお弁当が広がっていた。

「沢山あるから泰良くんも一緒に食べようよ」と璃香子が言うから、こんな状況になったのだけど。



「聞いたよー、華ちゃんとおばあさんの所に行ってあげたんでしょ?ふふ、何気に泰良くん優しいよね」

「そうよ!ね、泰良?」

「あ、あぁ。そういえばそんな事あったなー。ていうか、何?華花、璃香子んとこ来てたんだなー…」


「泰良くんが華ちゃんに言ったんでしょう?会いたいなら行けばいいだろーって。あは、華ちゃんって行動力あるよねー」

「泰良が言ってくれたら璃香子のところに来れたのよ!」

「そ、そんな事、俺言ったっけ?」


何が怖いって?
華花がさっきの事など無かったかのように、ニコニコしているところだ。



「これ、美味しいね。周さんにお礼言っといてね」

「伝えておくわ!」


それとも、さっきの出来事について何とも思ってないのだろうか。


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