こいろり!
「周さんもとってもいい人だよね。ジェントルマンっていうか」
「……それ笑えねーな。て、璃香子の体は?体調はどうなんだよ?」
「うん、全然元気でさ。暇な位。でもお医者さんには、まだ駄目だ動くな寝てろーって言われちゃって」
「寝てれば平気なのかよ。兄貴はちゃんと顔出してんのか?てか、栄養のあるもんちゃんと食ってんのかよ」
そう口にしてから、花じゃなくて何か飯でも買ってきれやれば良かったと後悔した。
璃香子の体に目を向けると、部屋着であろうスウェットのワンピースから白い足が覗くから。一瞬、動揺してしまう。俺はこんな時に、なに考えてんだよ。
「晃良くん昨日来てくれたよ。それに、華ちゃんも差し入れに来てくれるしね」
「………??華花が?」
「そう、泰良くん勝手に私が妊娠してること言ったでしょう?」
「あ、あー?いや、華花、璃香子の事すっげー心配してたからさ。て、華花ここくんの?」
その時、璃香子の家のチャイムが鳴り響いた──。
「璃香子、お弁当持ってきたわ!一緒に食べましょう」