儚く甘い
窮地に立った瞬間、結局自分を守ることしか選べなかったことを今も後悔している。

だからこそ、その戒めとして生きている。

すべてを受け止めて、兄とあの人の見ることのできなかった景色を見るためだけに生きると決めた。


なのに・・・

みわを放っておけない。
これは明らかに自分の感情だと気づいている。

何年も動くことの無かった自分の感情が、みわによって突き動かされている。

見える景色も、動かされる心も、抵抗しようとする自分自身すら力を手放してしまうような惹きこまれ方に、達哉は逆らえない。
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