儚く甘い
葉月と兄が付き合い始めた時も、心が少し痛んだ自分を恥じるくらい、達哉は兄の気持ちを大切にしたかった。

幼いころから、不仲の両親に代わり達哉を守り支えてくれた兄。
学校に行かずに、ろくな趣味もなかった達哉を更生させようと、諦めずに声をかけ続けてくれた兄。

今があるのは兄がいてくれたからだ。

その兄が、バイクの事故で亡くなった日、達哉は兄と最後の喧嘩をした日だった。




何も言わずに大学の屋上に着いたみわと達哉。
2人並んでいつもの場所から空を見ていると、隣でみわが少しだけ寒そうに体を震わせた。


< 173 / 356 >

この作品をシェア

pagetop