儚く甘い
達哉は自分の着ていた上着を脱いでみわの肩にかける。

「ありがとう」
鼻声のみわが達哉の方を見る。
涙で目が腫れて、真っ赤になっている。

達哉は気づくとみわの頬に触れていた。

少し熱を持った頬。
それ以上に達哉の手も熱い。

みわは、光に照らされる達哉の顔が、今までで一番優しく微笑みかけてくれているのを見た。
その瞬間、涙が余計にあふれて止まらなくなる。

再び顔をくしゃくしゃにして泣き始めたみわを達哉はそっと抱きしめた。
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