儚く甘い
その時、達哉は自分の命への不安がみわをこんなに悲しみを秘めた表情にさせているのだろうと思っていた。

でも・・・違ったと知るのはもう少し先だった。

不意にみわの瞳の端から涙がこぼれる。

ごまかすように、達哉に気づかれないように横を向いて涙をふくみわ。

達哉はそんなみわにこみ上げる思いが溢れそうになり、自分の体を曲げて、みわの頬に手を触れる。

そして・・・

ゆっくりと、優しく口づける。
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