儚く甘い

達哉はみわの家に着くと、ちゃんと玄関のチャイムを鳴らして、みわの母に挨拶をしてから帰って行った。

お茶でものんだらいいのにと誘うみわの母に、達哉はみわが疲れているはずだからと遠慮をして帰った。

みわのことを安心して任せられるとみわの母は実感できる瞬間が増えた。

「どうだったの？楽しかった？」
自分の部屋に戻ったみわを追って、母があれこれデートの話を聞く。

「で、チューくらいはしたんでしょうね？」
楽しそうに聞く母にみわは耳まで真っ赤にしながら内緒と答える。

「疲れたから、ちょっと寝る！」
そう言って部屋から母を出したみわ。
母はみわの部屋から出て、1階に戻ると、夫の遺影の前に座る。