儚く甘い
「ごめんなさいね、急に呼び出して。心配したでしょう?」
みわの母が泣きはらした目で達哉に近づく。
うまくみわの母の言葉に返せないまま、達哉はベッドに近づいた。

「呼吸ができなくて、今気管内挿管をしてる。」
みわの口には管が入れられていて、機械的に胸が上下し、空気を機械で送る規則的な音が病室に響いている。

みわの顔色はまだ悪く、思わず達哉はみわの頬に触れて体温を確認した。

「まだ危ない状態だ。もしかしたらこのまま意識が戻らず、機械を外せないかもしれない。」
辛そうに顔をゆがめながら言う隆文。

「こんなに急に・・・こんなことに・・・」
みわの母が、泣き崩れそうになり、裕介が母を支える。
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