儚く甘い
微笑みあう二人。

病室に戻り、みわが眠りにつくまで達哉は一緒にいた。

面会時間が終わり、帰宅しようとする達哉を、隆文が呼び止める。

「決まった。渡米する日が。」
隆文が達哉に告げたのは、一週間後の日付だった。

「これ以上は待てない。」
「・・・」
これは別れじゃないと言い聞かせてもやっぱり不安だ。

これが別れになるかもしれない。

でも、最後まで笑顔で支えて守ると決めた。
達哉は隆文に力強く頷き、あるお願いをしたのだった。
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