儚く甘い
「すごい!」
みわは達哉の背中で声をあげる。

視界に広がったのは、淡く光る小さな無数のライトが輝く別空間のような屋上だった。

みわが座れるように、ベンチまで用意されていてそこには体を冷やさないようにブランケットまで用意されている。

「お兄ちゃん」
そこで待っていたのはもう一人の兄。
みわを駐車場まで送ったのは隆文。

屋上のセッティングを達哉と共に完璧なものにしたのは裕介だった。

「じゃあな。」
裕介は達哉の背中からみわが降りるのを手伝い、達哉と二人でみわを支えながらベンチに座らせると、その膝にブランケットをかけてから、屋上を去った。
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