幸福を呼ぶ猫
それからいつもより少し早い時間に僕達は解散した。
そして夜僕はまたクロに話を聞いてもらう。
「クロ…僕彼女と別れようかと思ってるんだ。」
クロを不幸を呼ぶ猫だから捨てろと言う彼女、僕に否定的な彼女。
僕は一体彼女のどこを好きになったんだろうと思った。
「にゃぁっ!」
いつも僕の話を黙って聞くクロが珍しく強く鳴いて、僕の足に爪を立てた。
「痛っ!なんだよ、クロ!」
そう言ってクロを睨むと、クロも僕をじっと見つめた。
もしかしてクロは…
「彼女と別れることを反対してるのか…?」
「にゃぁ」
いつもの肯定の返事が返ってきた。
「なんで、ともえはクロのことを不幸を呼ぶ猫だから捨てろと言ったんだよ!」
そう言った瞬間、仕舞ったと思った。クロにこんなこと聞かせるべきじゃなかったのに。