あやかしと玉響なる風 重なる正義と刃

レオナードがニッと笑顔を見せ、ヴィンセントが優しくイヅナの頭を撫でる。照れ臭くなってイヅナが頬を赤くしながら笑うと、「紅茶のいい香りがするわね」と言う声と共にドアが開いた。そして、チェルシー・モールバラが長い髪を風に靡かせながら顔を覗かせる。

「素敵なお茶会ね！私も入っていいかしら？」

「ぜひぜひ！お茶会は大人数の方が楽しいですから」

チェルシーの問いにベラが笑顔で答え、チェルシーの分の紅茶を用意する。するとチェルシーはくるりとドアの方を向き、「みんなも来て〜！楽しいお茶会よ〜！」と大きな声で言う。

「この茶葉の匂い、ローズヒップティー？おいしそうだね」

「チターゼ、疲れたしちょっと休憩して行こうよ」

「……アレンがそう言うなら」

エイモン・ウィーズリー、チターゼ・グランツ、アレン・ホッジンズも中庭に姿を見せ、椅子に腰掛ける。ベラとヴィンセントが紅茶の入ったティーカップを配り、イヅナがケーキを置くお皿を一人ずつ手渡していく。