君の息にピリオド.
共犯者の息
普通は警察署や刑務所で話すのだが、
これは紗羅の病体を考えてのこと。
彼女が退院するのは1ヶ月後。
それまでずっとこの事件を引きずるのは
あまりにも酷だと考えたからだ。
私たちは用意された椅子に座る。
艶子は共犯者も近くの席だ。
危害が加えられないよう離れているけれど。
足音が近づいてきた。
心臓はどんどん速くなり、
あの日の恐怖が頭を霞む。しかし、今。
私の周りには大好きな友人がいる。
何も怖くない。
共犯者はあの人回らない風貌でやってきた。マスクも同じ、墨をたらしたように真っ黒で髪の毛はもっとボサボサに見えた。
彼女の横には警官が、
後ろには退路を塞ぐように立っている。
共犯者はパイプ椅子に腰をかけ、
“マスクを外した”。
表情は固い、
真っ直ぐこちらを見るその瞳は。平坂。
「お久しぶりです。
私はこの事件の当事者であり、
“平坂 歩”の母親でもある≪平坂 真由美≫と
申します。」
これは紗羅の病体を考えてのこと。
彼女が退院するのは1ヶ月後。
それまでずっとこの事件を引きずるのは
あまりにも酷だと考えたからだ。
私たちは用意された椅子に座る。
艶子は共犯者も近くの席だ。
危害が加えられないよう離れているけれど。
足音が近づいてきた。
心臓はどんどん速くなり、
あの日の恐怖が頭を霞む。しかし、今。
私の周りには大好きな友人がいる。
何も怖くない。
共犯者はあの人回らない風貌でやってきた。マスクも同じ、墨をたらしたように真っ黒で髪の毛はもっとボサボサに見えた。
彼女の横には警官が、
後ろには退路を塞ぐように立っている。
共犯者はパイプ椅子に腰をかけ、
“マスクを外した”。
表情は固い、
真っ直ぐこちらを見るその瞳は。平坂。
「お久しぶりです。
私はこの事件の当事者であり、
“平坂 歩”の母親でもある≪平坂 真由美≫と
申します。」