君の息にピリオド.

艶子の息

その後すぐに艶子は口を開いた。


「私の中で真由美さんは
優しい人というイメージばかりで。

…殺さないという言葉を、私はまんまと
信じてしまいました。

私が頼まれたのは三つです」

「一つは脱出に役立つものは全て捨てる事。私はこれを破り、げんのうを机の上に出し、バレないよう木工室の上の窓を開けました。

包丁は渡くんの首の縄を切る用です。

この時私は渡くんの首を吊るふりをして
おびき寄せる〜そして探索までの流れしか
知らず、問題を解いたりするのは
全く聞かされていませんでした。

他には脚立を出したり、
武器のない保健室には適当に取ってきた
フライパンを置きました」


フライパンのチョイスは何とも艶子らしい。
無意識のうちに刃物は避けたのだろう。

「もう一つは全員のスマホのパスコードを
頭に入れておくこと。

みんながスマホを触るときの
指の動きで予想をしました。

そして助けが来なかったのは
パスコードでロックを解除し家族のには
“勉強会に行くことになった”と。

クラスのには
“ドッキリだった。遊んでから帰る”
と送ったからです。

改造したスマホは、紗羅ちゃんのポケットに入っていたスマホは私ので、
事前に少々弄ると言われていました」
< 64 / 76 >

この作品をシェア

pagetop