世界が終わる日に、俺は君の手を握る。
「バスケ部は凄いわねぇ。皆んな集まってひとつになっている感じがするわ!」


佳世ちゃんが音に負けないよういつもより声を張って言う。


「…そうだね」


私はベンチの方を見た。

そこにいたのは、バスケ部のマネージャーである繋ちゃんだった。

タイマーが鳴り、選手がベンチに戻っていく。

マネージャーの女子数人が水筒を選んでそれぞれに渡しに行く。

その一方で繋ちゃんは沢山の水筒やタオルを抱えて配り、うちわで仰いでいた。


「繋ちゃん…」


私は思わず名前を口から漏らしてしまった。
< 27 / 38 >

この作品をシェア

pagetop