追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 キャンプで一番面倒くさい炭起こしを簡単にやってしまうとは。
 キャンプ経験と、キャンプ道具販売経験豊富な私も脱帽である。

「ん? そう? そうなの? すごいの?」

「はいっ! で、ヘンルーダさんはどちらに?」

「ああ、ヘンルーダ様はほら、中で肉を刺しているわ」

「肉を……刺している?」

 物騒な言葉を聞いて、急いでテント内を覗く。
 するとヘンルーダは黙々とバーベキュー串に肉を刺していた。
 さっきから、ペグを刺したり肉を刺したり……やたらと刺しているけれど、なにか気に入らないことでもあるのだろうか? 料理に関わると食材が悲惨なことになるので、裏方作業に回されたことがストレスに? 
 ちょっと機嫌でも取ろうかと話しかけてみた。

「へ、ヘンルーダさん? お疲れ様です」

「ん? ララさん? お帰りー」

 ヘンルーダは笑顔で言った。おや? 機嫌は悪くない。

「バーベキューを作ってくれていたのですね」

「バーベキュー……そう、これそういうものなのね。鉄串の使い方がわからなかったから、とりあえず刺してみようかなって思ったのよ」
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