追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
その夜は、酒場の二階の部屋を借りて一泊し、満腹で幸せな惰眠を貪った。
 そして、翌朝になり、起こしに来たゼクスが持って来たのは新品の服。宮様に会うためには、ソラスの礼服でないといけないらしい。ソラスの人たちの装いは、どことなく中国風だけど、礼服はそれよりももっとキッチリとしていた。
 旅商人の服が板についている私には、仰々しいその衣装はなんだか堅苦しい。色も赤系で派手だし、襟元に付いている金の刺?も目立つ。華やかで可愛いと言えばそうなんだけど、普段からくすんだ色を好む私としては、非常に落ち着かないのである。動きも制限されそうで、嫌だなあと思いながら着替えて部屋を出ると、ディオが廊下に立っていた。

「ララ、おは……」

 挨拶の途中で、ディオは固まった。どうしたんだろうと首を傾げながら、私も挨拶を返す。

「おはようございます。ディオもソラスの礼服に着替えたんですね! よく似合いますよ」

「あ、あ、うん。ありがとう。ララもすごく綺麗だよ」

「んなっ? いえいえ、馬子にも衣装というか、ね。でも嬉しいです」

 綺麗だなんて、お上手ですこと。
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