追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
「た、頼もしい戦力だなんて……照れるじゃないですか」

「いやいや、言葉通りですぞ。ララさんあってこそのグリーランド! 前にも言いましたが、希望の星ですからな」

ディオとゼクスの褒め殺しに、私は気をよくした。

「星見の宮様かー。本当は興味あったんですよ! 楽しみです」

「よかったよ。じゃ、明日、かまわないね?」

 にこやかに頷き返すと、私は食事に戻る。
 まだ、オムレツも半分、パンも半分残っている。懸念が無くなった今、あと二倍は胃に収まりそうな腹具合だ。
 そんなはしたないことを考えていると、ゼクスがパンッと一度手を打った。
 すると、どうでしょう! 
 突如開いた扉から、パンとオムレツのおかわりが、デザートのフルーツ盛り合わせと共に出てくるではないか! 

「遠慮なくどうぞ」

 と、ゼクスは微笑む。
 ここは天国かな……目を輝かせて夕食を貪る私を、ディオとゼクスは楽しそうに眺めていた。
< 140 / 275 >

この作品をシェア

pagetop