追放された私は、悲劇の聖女に転生したらしいです
 幸い、心の病が原因で軟禁状態にあったララは、外に出ることがない。外部の者に気付かれることもなく、月蝕の日まで安全に守られる……と思っていたが、ここに来て、アンセルの愚かさが私の足元を掬う。
 あろうことか、甘言にのせられて、ララを王都から追い出すとは!
 ナタリアの言うことが本当であったなら、すぐに創造してランプを創るだろう。それをせずに、屋敷にこもるということが、嘘だという証拠ではないか!
 ……落ち着け。これでは本末転倒だ。
 ここまでうまく確実に事を進めて来たではないか。ひとつの歯車が狂ったとて、どうってことはない。
 過去に王太子ディオハルトが、私の正体に気付いた時も、綺麗に処理をした。どうして気付いたのかは知らないが、危険な芽は摘んでおかねばならぬと思い、早急に暗殺することを決めたのだ。殊の外大きい火事になり、王妃や側近たちも犠牲になったが、目的を遂行するために厄介払いが出来て逆によかったと思っている。
 そうだ、今回も同じく、適切に処理すればよいだけの話。
 やるべきことはわかっている。
 なんとしても、ララを見つけ出すこと。それが第一だ。
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