一途な令嬢は恋をする
「そうですか・・・・・・それなら私も一安心です。何せこの子は少しおっちょこちょいな部分もありますから・・・私も心配で心配で」

「なるほど。氷上の占術士と謳われる貴方様もお嬢様の前では一父親ということですね」

「いやはや・・・面目ないです」

「いえいえ、ご立派なお父様だと思います。私の父は如何せん頑固なものですから・・・・・・ラザトルテ様という素晴らしいお父様の元に産まれたリザリッテ様は本当に羨ましいです」

「そう言って貰えると私も嬉しい限りです。でもまだまだ私はミエラルト様のお父様と比べたら人として、また父親としての器も未成熟でございますので、これからも精進して参ります」

「父のことお褒めいただきありがとうございます。報告したら非常に喜ぶと思います」

会話とすら言えない会話。
うっすいうっすい何も意味の無い会話。
どうしてこんな事を2人とも言うのかしら。

お父様も言ってあげたらいいの、私は自慢の娘なんだって!
ミットだってそう。
一緒に居たのは私なんだから、お父様に言うのじゃなくて直接私に言って欲しいわ!

そうじゃないと伝えたいことも伝わらないわよ!
って言いたいところだけど・・・まぁ無理ね。

だって、私達は貴族なのですもの。
はぁ・・・・・・会いたいなぁ。


2人が向かい合ってお辞儀をし合う中、ミットはパチッと手を叩き一気に空気を変えた。

「で・・・・・・ここから本題としましょうか!」

本題ねぇ・・・・・・。
ここで言う本題とはお見合いの中での本題である。
つまりそれは1つしかないわよね。

そう、私とミットとの今後の関係。
婚姻するのかしないのか・・・・・・

それとも・・・・・・
この次だけは・・・・・・やめてよね。
< 18 / 18 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop